熱の城
何か話さなきゃ、でも見慣れない景色と慣れない雰囲気が、わたしをどんどん焦らせる。
もうすぐ終わってしまう、この夢みたいな時間が…―――
またいつもの日常に、戻ってしまう寂しさを、わたしは感じていた。
「藤乃、この辺道わかるか?」
あっ……。言われて、車窓を確認しても、わたしにはわかる建物も道もまだ見つけられなかった。
「……すみません、道とかあまり詳しくなくて」
どうしよう、やっぱりへんぴな場所だから、道が難しかったのかしら?
「……」
案内出来ないのが、申し訳ないので、その辺の駅までにしてもらおうかな?
「すみません、あの……」
「ナビがあるから大丈夫、住所入れて?」
「えっ?」
あぁ、そうか。あまり車生活して来なかったから、全然ぬけていた。