熱の城

 スッと背中に冷たいものが走り、自分の心臓の音が、痛いくらいに全身で高鳴り始めていた。

 これは、どう言う……。今、なにが起きているの?

 彼の触れているカ所から、緊張で身体が固まってくる。


「無防備だな、こんなの口実に決まってる」


 耳元で響く鈴木さんの、低くかすれた声に、ドキッと心臓が跳ね上がった。固まっていた身体が震え始める。


「……っ」


 どうして気付かなかったんだろう?

 こんな夜中に、男の人を家に上げるだなんて。本当に、無防備もいいところだ。


「……あ、の、鈴木主任、放していただけますか?」

「……」


 彼からの返事はなく、後ろから抱きしめる腕に強い力が入った。彼の大きくガッチリとした身体が、わたしの背中に更にあたる。苦しくはないけれど、身動き出来ないくらい強い力、スーツから香る香水に眩暈がしそう……。


「……っ、鈴木さん?」



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