熱の城

 いたたまれず、コールギリギリ七回目で、電話を取った。


「……はい」

「おっ、出たでた、芽依仕事終わった? コメント送ってたの見てくれてた?」


 久しぶりに聞く、ヒロキの声。なんの混ざりもない明るいトーン。

 罪悪感で、胸がギュッと痛くなった。


「……うん、ごめんね、忙しくて連絡出来なくて」

「大丈夫か? 元気ないけど」


 やさしいヒロキの声が、遠く、懐かしく感じる。


「うん大丈夫、……ちょっと忙しかったから疲れてるだけ」

「そっか、じゃあ良かった、今日大丈夫そうだな!」


 あっ……。

 しまった、断れない流れになっちゃった。


「……う、ん」

「じゃあ、いつものファミレスでな!」

「あっ……」


 明るい声を残して、通話が途切れた。……困った、会うことになってしまった。

 あぁぁぁ、どうしょう……。



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