神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜
「ようやく帰ってきやがった…。本当長かったよ」

「よ、良かったですね…。私もホッとしました」

「よく戻ってきた、ジュリス」

何故かキュレムもシュニィも、やたら大袈裟なんだけど。

何?俺、生死不明、行方不明扱いだったわけ?

ちゃんと昨日、連絡したよな?

するとここで、キュレムから爆弾発言。

「帰ってきたら、とりあえず一発殴ろうと思ってたんだけどな」

「はぁっ!?な、何でだよ?」

何で俺が殴られなきゃいけないんだ。

何も悪いことしてないだろ。俺は。

「黙らっしゃい!貴様みたいな羨ましいリア充は、未来永劫幸せに爆発してしまえ!」

…何言ってんの?この人。

「キュレムさん。モテない童貞男子の本音が出てますよ」

「おっと、すまねぇ。つい本音が…」

…何言ってんの?こいつら。

「殴るのは勘弁してやるよ。今回はな。…それより、ベリクリーデちゃんを何とかしてやってくれ」

「彼女を操縦出来るのはジュリスさん、あなただけです」

と言って、キュレムとルイーシュは、座り込んでいたベリクリーデを指差した。

操縦って…。俺だって、ベリクリーデを操縦出来る訳じゃないが…。

ベリクリーデの目は、うるうると、きらきらと光っていた。

「じゅりす…。…ジュリスだ。…本物?」

「偽者じゃねぇよ…」

本物だよ。本物のジュリス。

「ジュリス…。…ジュリスっ…」

ベリクリーデは急いで立ち上がって、ふらふらとこちらに駆け寄ってきた。

ちょ、危ないって。今にも転びそうじゃないか。

「ジュリスが帰ってきてくれた…」

「当たり前だろ…」

「もう帰らないかと思ったよ〜…」

「…そんな訳ないだろ」

たった一晩、戻らなかっただけなのに。

大袈裟な奴だよ、まったく…。

…つーか、お前、それより…。

「よかった。ずびびっ。わらひね、ちゃんと、おるすば、ずびっ。っくしゅんっ!ずびびっ」

「…」

「おるしゅばん、できっ、へくちょんっ!」

「…」

「…ほぇ〜」

盛大にくしゃみしたものだから、鼻水がぷらーん、と。

あぁ、もう…。女の子が…。

俺は自分のポケットから、ポケットティッシュを取り出し。

それを、ベリクリーデの鼻に押し付けた。

「ほら、鼻を噛め」

「ちーん」

よし。それで良い。

いや良くない。お前、この状態…。

「ベリクリーデ、お前…」

「あにょね、じゅりしゅがもろってくるまれ、いっしょうけんめ、ほぇ、はくちっ!」

「…」

「まっひぇたんらよ〜…」

…ふらふら。

ほぼ何言ってるのか分からないが。

とりあえず今のベリクリーデが、とんでもない異常事態であることは理解した。
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