神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜
まずは、松ぼっくりを水洗いするところから開始。

ベリクリーデは外から拾ってきたと言ってたし、虫、それに泥などの汚れがついている恐れがある。

清潔な水で松ぼっくりを洗い、丁寧に乾かす。

それから工作の材料として、ピンセット、ハサミ、木工用ボンド、色とりどりのフェルトのハギレ、それにボタン。

等々、使えそうなものを全部引っ張り出す。

床にシートを敷いて、目をキラキラさせるベリクリーデの視線を感じながら…。





「ほら、出来たぞ」

「わーい。フクロウだー」

まずは、ベリクリーデがしきりに欲しがっていた、フクロウを作ってやった。

フェルトを丸く切り取り、そこにボタンをつけて目を作り。

同じく、フェルトに布ペンでフクロウのくちばし、羽根、足を描いて、それを切り取ってくっつけた。

松ぼっくりで作った、なんちゃってフクロウの完全。

まぁ、ざっとこんなもんだ。

「わーいわーい。フクロウだ。わーい」

ベリクリーデ、大歓喜。

微笑ましい奴だなぁ。

今時、幼稚園児でも、松ぼっくりフクロウくらいじゃ喜ばんぞ。

「どっからどう見てもフクロウだ。可愛いねー」

「良かったな」

「おこめちゃん、って名前つけよう」

…何で米?

まぁ良いけど…。好きな名前つければ。

「ほら、こっちは色違いだ」

「わーい。こっちはむぎちゃんにしよう」

…何で麦?

ま、まぁ良いけどさ。

色違いのフクロウを両手に持って、大変ご満悦のベリクリーデ。

松ぼっくりでこんなに喜ぶ奴、他にいるか?

さて、そろそろ…次が完成。

「ベリクリーデ、これはいるか?」

「?フクロウ?」

「いいや。今度はハリネズミだ」

「!」

ベリクリーデの眼差しが、フクロウからハリネズミに注がれた。

松ぼっくりの工作、色々あるからさ。

フクロウだけじゃなくて、他にも色々作ってみた。

まずはハリネズミ。

「すごーい。ツンツンしてる。ほら、背中ツンツンしてるよ」

「ハリネズミだからな」

「ジュリスみたいにツンツンだー」

誰がツンツンだって?

ったく…適当言いやがって。

「よし。この子の名前はおイモちゃんにしよう」

…何でイモ?

主食…?主食縛りなのか?

「ジュリス、他に何か作れる?」

「そうだな…。それじゃ、こういうのはどうだ?」

俺は松ぼっくりでヒツジや、ミノムシを作ってやった。

どれも、ベリクリーデは大喜び。

「やったー。ヒツジはパスタちゃん、ミノムシはニョキッちゃんって名前にしよう」

「…ニョッキのことだろ…?」

何だよ、ニョキッちゃんって。

そんな、たけのこが生えてくる時の効果音みたいな名前をつけるんじゃあない。
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