神殺しのクロノスタシス〜外伝集〜
で、キャラ弁作りを引き受けたのは良いが。

…キャラ弁って言っても、範囲広いもんな。

果たして、どんなキャラ弁にすれば良いのか…。

…悩む俺。

俺も、キャラ弁作りの経験なんてないからな…。

キャラ弁ってさ、凝る人はめっちゃ凝るじゃん。

たまに雑誌とかで見かけたことあるけど、芸術作品ってくらい上手でさ。

逆に、食べるのが勿体無くなるよな。

俺はとてもじゃないけど、そんな精巧なキャラ弁は作れない。

多少、料理には小慣れているとはいえ…単純な料理の上手さと、キャラ弁作りは別の話だからな。

どうしたものかと、しばらく考えたが…。

…まずは、ベリクリーデが見たという、シュニィのお弁当がどういうものだったのか。

それを、シュニィに確認してみようと思った。

ベリクリーデがどういうモノを欲しがってるのか、調査だ。

そう思い立った俺は、シュニィの部屋を訪ねることにした。







「シュニィ、ちょっと良いか?」

シュニィの執務室の扉をノックする。

すると、部屋の中から。

「はい、どうぞ」

という声が聞こえた。

良かった。部屋にいたんだな。

「入るぞ、シュニィ」

「あら…ジュリスさん。どうしたんですか?」

部屋の中で、書類仕事に勤しんでいたらしいシュニィ。

俺の姿を見て、ペンを動かす手を止めた。

「悪いな、忙しいところ…」

「いいえ、構いませんよ。…どうしました?」

「いや…ちょっと、聞きたいことがあって」

「聞きたいこと、ですか?何でしょう?」

…仕事の話じゃなくて申し訳ないんだが。

「つかぬことを聞くが…昨日、アイナの為にキャラ弁を作ってあげたそうだな?」

「えっ?」

「実は…かくかくしかじかで…」

俺は、先程のベリクリーデとのやり取りを噛み砕いて説明した。

ベリクリーデがキャラ弁を作って欲しがっていることも。

シュニィは、目を丸くして聞いていた。

「…ってな訳で、参考に、どんなキャラ弁を作ったのか教えて欲しいんだ…」

恥を忍んで、俺はそう頼んだ。

すると、シュニィは。

「まぁ…そうだったんですか。…ふふ」

「…何笑ってんだよ?」

シュニィの笑みは、キャラ弁も作れないのかよwという嘲りではなく。

「いえ…。何だかんだ、ベリクリーデさんのお願いを聞いてあげるんですね。何だか微笑ましいなぁって…」

「…別に微笑ましくも何ともねーから。良いか、俺だって好きでこんなことやってんじゃ…」

「はい、はい、そうですよね」

笑ってんじゃねぇよ、シュニィ。

俺は真剣。これでも真剣なんだ。分かるか?
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