一生分の愛情をもらいました。
隼人は華の言葉を聞きながらも、心配でたまらなかった。彼女の顔色が良くないことに気づき、少しでも安心させたいという気持ちが強くなった。華が何と言おうとも、今回は強引にでも病院へ連れて行こうと決心した。

「華、もう言わせないよ。」

隼人は真剣な表情で、華の手を優しくでも強く握った。華が驚いたように目を見開くと、隼人は無理に笑顔を作ることなく、まっすぐに言葉を続けた。

「お腹の痛みが治まってないんだろう?もし何かあったら、後悔するのは俺なんだ。」
隼人の声には、迷いがなく、強い決意が込められていた。

華はその言葉を聞くと、少しだけ戸惑いながらも、隼人が自分をどれだけ大切に思ってくれているのかが伝わってきた。
だが、やはり彼女は少しだけ強がりたかった。心配をかけたくなかったのだ。

「でも、隼人…本当に大丈夫よ、ただのちょっとした痛み…」華は言葉を続けようとしたが、隼人はすでに携帯電話を取り出し、救急車を呼んでいた。

「もう決めたことだから、病院に行く。それが一番だよ。」

隼人は電話の向こうで指示を受けながら、華に向かって穏やかに言った。

華は無理にでも連れて行こうとする隼人の優しさに、とうとう心を開いた。最初は拒んでいたものの、彼の決意に触れ、無理をするべきではないと感じ始めた。彼の腕を頼りにしながら、「わかったわ、隼人。」とつぶやいた。

救急車が到着し、二人は病院へと向かうことになった。その途中、隼人はずっと華の手をしっかりと握り続け
「何があっても、君を守るから」と、心の中で何度も誓っていた。

病院に到着すると、すぐに華は検査を受けることとなった。隼人はその間、外の待機室で不安そうに足を動かしていた。何度も何度も時計を見ながら、華が無事であることを祈っていた。

やがて、医師が隼人に向かって歩いてきた。隼人は一瞬、息を呑んだ。「どうでしたか?」と、医師に尋ねた。
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