空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
私が高校を卒業する年、宮代学園では卒業パーティーと称してクルーズ船を貸し切ったパーティーが開かれた。
御船伊重工は船舶の造船会社であるが、貨物船などの運航も担っている。自社の令嬢の卒業年だからと、豪勢にも船を貸し出し運航することにしたらしい。
最初、私はパーティーには行かないつもりでいた。
ドレスなんて持っていないし、行ったところで『海の悪魔』の娘が乗る船なんていわく付きだとか言われるだろう。そうなったら、麗波が機嫌を損なうだろうし、彼女の怒りの矛先は必ず私に向く。
しかし、ドレスコードがあると知った東海林夫婦は、私の卒業祝いと就職祝いに、ドレスをプレゼントしてくれた。
「海花ちゃんの持ってるあのペンダントに、合うと思って選んだの」
断る隙もなく幸華さんにそう言われ渡されたのは、淡いパープルの上品なドレスだった。
御船伊重工は船舶の造船会社であるが、貨物船などの運航も担っている。自社の令嬢の卒業年だからと、豪勢にも船を貸し出し運航することにしたらしい。
最初、私はパーティーには行かないつもりでいた。
ドレスなんて持っていないし、行ったところで『海の悪魔』の娘が乗る船なんていわく付きだとか言われるだろう。そうなったら、麗波が機嫌を損なうだろうし、彼女の怒りの矛先は必ず私に向く。
しかし、ドレスコードがあると知った東海林夫婦は、私の卒業祝いと就職祝いに、ドレスをプレゼントしてくれた。
「海花ちゃんの持ってるあのペンダントに、合うと思って選んだの」
断る隙もなく幸華さんにそう言われ渡されたのは、淡いパープルの上品なドレスだった。