空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 こうして彼を応援できるだけで、十分じゃないか。そう、自分に言い聞かせた。

 それに、海上保安庁のSNSや、メディアのニュースなどで海難事故が取り上げられているのを、私はよく目にするようになった。

 そこにいるのは必ずしも凌守さんとは限らないが、命をかけて懸命に海難救助に向かう機動救難士の方々を見る度に、彼の邪魔をしてはいけなかったのだと自分を戒めるようになった。

 彼は私に、たくさんの勇気をくれた。
 それだけで、もう十分もらった。

 そう自分に言い聞かせ、彼の活躍を遠くから願っていた。

 そんな、ある日のこと。
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