空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 やがて、マルマロスビーチを抜け市場の前に着く。

 シラスをもらったら、さっさと帰ろう。そう思いながら、私は東海林さんの姿を探した。だけど、そこには誰もいない。

 おかしいな、昼過ぎに行くと伝えていたのに。

 そう思っていると、奥の部屋の扉が開く。そこから出てきた人物に、私は目を見張った。

 先程ホテルで見たのと同じ、紺色の海上保安官の制服に身を包んだ凌守さんが、そこに立っていた。
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