空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 扉の向こうは、小さな会議室のような場所だった。折りたたみ式のテーブルと椅子がいくつか置かれている。
 そしてそこには、思いもよらぬ人物がいた。

「東海林、さん……」

 東海林夫婦がテーブルの前に並んで座っている。しかし二人は頭を垂れ、私と目を合わせてくれようとはしない。まるで葬式のような、重苦しい空気が漂っていた。

 私は凌守さんに案内され、二人の前に腰掛けた。すると突然、東海林さんが口を開く。

「海花ちゃん、本当に君には申し訳ないことをした」

 東海林さんは言いながら、深々と私に頭を下げた。隣にいる幸華さんも、同時に頭を下げる。

 だけど、彼らに謝られるようなことをされた記憶はない。戸惑っていると、東海林さんが項垂れたまま、再び口を開いた。

定一(さだいち)は――君のお父さんは、立派な船の機関士だった。そう信じていたのに、俺は……、俺は……」

 東海林さんの声は、震えている。
 続きを紡げなくなった東海林さんは、うつむいたまま腕で目元を拭った。
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