空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 ふと、彼が置いていったフラワーアレンジメントが目に入った。ピンクと水色の花があしらわれた可愛らしいそれは、このペンダントの宝石――ガーネットのようだ。

『これ、ベキリーブルーガーネットっていうの。お日さまの下だと青く光るんだけど、蛍光灯の下ではレディッシュピンクになる。時間帯で表情を変える、海みたいでしょ? まるでキラキラ輝く希望みたいだって、お父さんがプレゼントしてくれたのよ』

 母が幼い頃、そう言って見せてくれたことを思い出した。

「呪いなんかじゃない。私を助けてくれた、希望のペンダントだ。それなのに……」

 今は濃いピンク色に輝くその宝石を胸に抱きしめながら、私はひた泣いた。
 どんなに辛くても、生きていかなくては。
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