空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
本物の家族のように彼にお礼を告げてくれる東海林夫婦に、私の目頭は熱くなった。
私を家に置いてくれただけでありがたいことなのに、あれから時間が経った今もまだ、こうして自分のことのように彼に頭を下げてくれる。生きていて良かったと、強く思う。
「そうだ、せっかくだから獲れたての魚を持ってってくれよ。今年はアジが豊漁なんだ。今日は少し残っちまったから」
そう言いながら、東海林さんはそばにあったビニール袋を一枚取り出し、氷の入った発泡スチロールの箱の中から、ゴム手袋をつけた手でアジを掴む。
そのまま、ひょいひょいっと袋に三尾入れると、凌守さんに差し出した。
「頂いていいんですか?」
「ああ。あの日、海花ちゃんを助けてくれた。親友の忘れ形見を失わずに済んだのも、こうして海花ちゃんの立派な姿を見れたのも、君のおかげだ。本当は、アジ三尾なんかじゃ足りないんだが、今日はとりあえずこれで」
「では、頂きます。ありがとうございます」
凌守さんはにこやかにそれを受け取る。しばらく他愛もない話をしてから、私たちは市場を出た。
私を家に置いてくれただけでありがたいことなのに、あれから時間が経った今もまだ、こうして自分のことのように彼に頭を下げてくれる。生きていて良かったと、強く思う。
「そうだ、せっかくだから獲れたての魚を持ってってくれよ。今年はアジが豊漁なんだ。今日は少し残っちまったから」
そう言いながら、東海林さんはそばにあったビニール袋を一枚取り出し、氷の入った発泡スチロールの箱の中から、ゴム手袋をつけた手でアジを掴む。
そのまま、ひょいひょいっと袋に三尾入れると、凌守さんに差し出した。
「頂いていいんですか?」
「ああ。あの日、海花ちゃんを助けてくれた。親友の忘れ形見を失わずに済んだのも、こうして海花ちゃんの立派な姿を見れたのも、君のおかげだ。本当は、アジ三尾なんかじゃ足りないんだが、今日はとりあえずこれで」
「では、頂きます。ありがとうございます」
凌守さんはにこやかにそれを受け取る。しばらく他愛もない話をしてから、私たちは市場を出た。