尚美~最後のレディース
真弓の父親のモンキーという小さいギア付きのバイクを、私達は黙ってちょくちょく借りていた為、真っ直ぐ走る分には、特に問題は無かった。
「スゲーじゃん尚美、普通に乗れてるよ」
「真っ直ぐ走る分には大丈夫だけど、曲がる時とか心配だな…」
そうこう言ってる間に、さっそく曲がり角がやってきて、私はギアを下げてスピードを落としながら、慎重に単車を傾けた。
「ウインカー出せよ」
「あー、ウルサい」
必要以上に遅いスピードで曲がったせいで、立ち上がりに焦り、思い切りアクセルを開けてしまい、クラッチの繋ぎをミスした私は、
グワーンという、近所迷惑な音を周囲に轟かせながら、車線をはみ出し、怪しげなスタートダッシュをしてしまい、
真弓が後ろから落ちそうになった。
「どわわわー!」
「…あ、ごめん。
ちゃんとシートに付いてるベルト掴んでた方いいよ」
「…あー、ビックリした」
いくらヘルメットを被っていても、こんな怪しげな運転では、警察に見られれば一発で無免許とバレてしまう為、
私は警察に鉢合わせない事を祈りながら、大通りには向かわず近所をグルグルと走った。