尚美~最後のレディース
自腹を切ってステッカー代の2万を払うにしても、解体で稼いだ金は全て、特攻服の刺繍代などに消えてしまった為、私達の財布は空に近かった。
「しゃあねえ、北中に顔出すか」
真弓がそう言った。
「は?後輩に売りつけんの?」
「別に強制で売りつける訳じゃないよ。
欲しい奴が居たら売る。
たしかにあいつらが言う様に、千円は安いもん、族のステッカーにしては」
「…まあ、欲しがる奴は欲しがるからな。
連盟のステッカーとか、五千円出しても買って、原チャリに貼ってる奴も居るし」
「うん」
「でもさあ…
こんな、原価がタダ同然みたいなシールで、中坊のなけなしの千円を奪うとか、心が痛むって…
せめて300円位に…」
「でもさ、尚美…」
「ん?」
「このステッカー…
マジでカッケーよ…」
真弓の目は、キラキラと輝いていた。
「…あっそ」