華の咲きかた
「どんな刺繍入れんの?」
渡された無地の特攻服を見つめる優香にそう聞くと、優香はポケットの中から、一枚の紙を取り出した。
「一応、短歌は考えたんですけど、
背中以外に何を入れていいか分からなかったから、そこはまだ空白なんです」
「どれどれ、闇夜に浮かぶ悪の華…」
「あー、恥ずかしいから読み上げないで下さい!」
「あははは。
いいじゃん別に、どのみちみんな見るんだから」
優香が書いた特攻服の刺繍の下書きを読んでいると、
短歌の最後の部分の隣に、
丸で囲まれた空白のスペースがあった。
「…ん?
ねえ優香、ここには何を入れんの?」
私は紙に書いてある空白の部分を指差した。