華の咲きかた








付き合う約束をした訳じゃない。






ただ、自分に嘘を吐くのをやめるという誓い。










優香への罪悪感が、少しも無くなっていたのは、





きっと、

これが私達の正解だったからだと思う。












「行こう、先輩」












雲一つ無く、陰りの無い穏やかな闇は、




私達を見下ろし、今、何を思っているの。











「…うん」










紅く、不気味に光る満月を引き立てる様に、


星や雲、全てを隠す闇。









涼しげに吹いていた風もいつの間にかやみ、



今にも全てを飲み込んでしまいそうな広い闇が、私から大切な物を奪う為、静かに忍び寄り、








何も知らない私達は、

あの最後の夜へ向かい、




今、走り出す――













< 199 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop