華の咲きかた
付き合う約束をした訳じゃない。
ただ、自分に嘘を吐くのをやめるという誓い。
優香への罪悪感が、少しも無くなっていたのは、
きっと、
これが私達の正解だったからだと思う。
「行こう、先輩」
雲一つ無く、陰りの無い穏やかな闇は、
私達を見下ろし、今、何を思っているの。
「…うん」
紅く、不気味に光る満月を引き立てる様に、
星や雲、全てを隠す闇。
涼しげに吹いていた風もいつの間にかやみ、
今にも全てを飲み込んでしまいそうな広い闇が、私から大切な物を奪う為、静かに忍び寄り、
何も知らない私達は、
あの最後の夜へ向かい、
今、走り出す――