90'sシリーズ/外伝
マックスがみんなを守れるのは、他のストリートチルドレンからだけ。
いくら体格の良い黒人でも、ギャングが相手じゃ何も出来ない事が分かり、安心しかけていたスラムでの生活が、また少し不安になった。
「エレナはしばらくここを出るな」
『…え』
そんな事をぼんやり考えていると、ふいにマックスが私に言った。
「さっきはウォーレンがとっさにお前を隠してたが、おそらく見られてる。
奴らの中に発情してるコヨーテが居たら面倒だし、守ろうとすれば殺される。分かるだろ、エレナ」
『…うん、分かってる』
さっきのは守られた訳じゃなく、隠されただけ。
「イアンとウォーレンも、念のためトカレフ出しておきな。本当にヤバい状況になったら、殺される前に殺せ。そしてどこまでも逃げて生きろ」
「OK」「大丈夫なのあれ。しばらくオーバーホール(分解洗浄)してないけど」
「なら、ついでにウォーレンに教えてやれ」
「OK、来いよウォーレン」
彼らの為に出来る事を増やしたい。ただの足手まといじゃ、仲間ではなくお荷物。
そんなのはまっぴらごめん。私はそういう女。
『………』