御曹司たちの溺愛レベル上昇中




──あぁ、やっと浴びれる……。


上着を脱いで、足首にサポーターとして巻かれていた包帯をとっていると、扉の向こうから会話が聞こえてきた。



『あーあ、琉衣さん行っちゃった』

『お前が下心あるとか言うから』

『颯くんだって同じようなもんでしょう!?』

『……良かった。琉衣ちゃん一人で入れて』



雪さんはわたしの味方だ……というか扉の前に座って話してる……?


なんとなく気になって、扉一枚を挟んだあちら側の会話に耳を澄ませた。




『ふ、二人とも本当に一緒に入るつもりだったの?』

『俺は別に……小柳が不自由なら助けてやりたいなって……思っただけだ。こいつと違って』

『でも多少は何かしら期待したでしょ?颯くんも』

『ち・が・う!俺のはやましさゼロ、純度百パーだっつの』

『純度って……どうだか』




──うん。


これ以上会話を聞くのはよそう。


わたしは本来の目的のシャワーを浴びに浴室へ入り、蛇口をひねった。

顔から浴びたぬるめのお湯が心地いい。


そのまま石鹸を手探りで探していると、


「あっ」


ツルッと掴みそこねた石鹸が、床に落ちていった。

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