御曹司たちの溺愛レベル上昇中
ガコンッ。
高級な床だからか、石鹸一つの音がやたらと響く。
だけど何事もないよう拾い上げた時、
『大丈夫か小柳!』
『滑ったんですか!?』
『ちょっと二人とも!な、中は入ったらだめッ』
慌てた声がすぐそばで聞こえた。
「大丈……えっ!?」
浴室の透明なモザイクドアの先に、影が動いていて、声の近さの意味が分かる。
「な、何で入ってるの!?」
「鍵開いてたからな!」
「僕と颯くんしか入ってませんよ」
「いやいや!バックバック!戻って下さい!?石鹸落としただけなので!」
程なくして、わたしは着替えを済ませ静かに扉を開けた。
やっぱり……。
ちょこん、と三人廊下に座って待機していたのだ。
「滑らないし、心配ご無用って分かったでしょ?もう出待ちなしね」
キッチンに向かいながらそう伝えれば、雪さんだけは素直に頷いてるけども……。
「颯くん、響くんー?」
「……ん」
「……んー、はい」
妥協するような返事。ま、いいか。
シュンとする二人を一瞥して、わたしは冷蔵庫からお茶のボトルを取り出した。
その時、インターホンが響き
わたしたちは顔を見合わせた。
誰だろ?と。