御曹司たちの溺愛レベル上昇中




ご丁寧に簡易的な地図を響くんに書いてもらい、それを頼りにわたしはピアノのがある部屋へと向かった。


連れていこうか、と二人とも言ってくれたけど、居なかったら戻ると言って一人やって来たわけだけど……

地図と照らし合わせ、何番目の部屋か確認して歩くも、ピアノの音はしてこない。
やっぱり部屋に戻ったのかな。



「……ここだ」


控えめにノックを三回してみるも、反応は無し。
ドアに引っ付いて耳を澄ませても、これといって何も聞こえない。

このまま戻ってもいいのだけど、もう一度だけノックをしてダメだったから、ゆっくりとドアノブに手をかけると……


──あいたっ!


数センチ開けたところで、綺麗なメロディが響き、中を覗けば雪さんがいた。

薄手のカーテンがしまっていて、部屋全体が薄暗い中、雪さんは少し弾いてはやめ、弾いてはやめを繰り返している。



雨のせいで余計暗い部屋でも、昼間だから雪さんの姿はちゃんと見えて、途切れ途切れのメロディでも、


……綺麗──。



「……ん?あれ、琉衣ちゃん?」


開きかけたドアに気付いたのか、雪さんは顔を上げてこちらを見つめた。


「あ……ごめんなさい、ノックは一応したんですけど……」


顔だけ覗かせて、小さく頭を下げれば雪さんは笑ってくれた。
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