御曹司たちの溺愛レベル上昇中
ほんっとうに恥ずかしいし、バスタオルを肩にかけ、それに松葉杖。
着替えたら包帯とろうって話もさっきされたけど……
「……琉衣さん、タオル邪魔です」
「邪魔!?い、いやっ本当に、スタイルとか自信ないから……入る時にでもとるよ。多分」
タオルが肩から落ちないよう握りしめながら伝える。
でも目の前の響くんは、『……わかりました』と言ってくれたけど、すごい不満そうに口を尖らせた。
「じゃあそこに座ってください。とりあえず包帯とりましょ」
すぐ近くに椅子が置いてあって、わたしは松葉杖を置き、座る。
そして、膝を折る響くんの太ももに足を乗せろと促されるも……やっぱり気が引ける。
「自分でとれるよ、包帯くらい」
「ダメ」
……って言われるとは思ってた。
だけど足を出して、包帯を御曹司にとらせるって……それこそだめでは?
そう思い、わずかに足を動かした。
「あ、足引っ込めないでくださいっ」
「だって、やっぱり良くないって」
前屈みになり、自分で包帯に手を伸ばす。
しかし──
「そんなこと言ってると……僕がタオル、剥がしますよ?」
──っ!?
そう耳打ちされ、一瞬にして椅子に背中がつくくらい体を引き、タオルを両手で握りしめる。
このタオルは死守しないと。
「あははっ、素直でいいですね。じゃあこのままはずしまーす」