御曹司たちの溺愛レベル上昇中
「ううん、この部屋防音になってるから。俺もごめん。気付かなくて」
「いえっ、邪魔しちゃって……わたし下に戻りま──」
「良かったら隣、おいで?」
ぽんぽん、と椅子の端に移動し隣を叩く雪さん。
……邪魔にならないか、と思いつつも、わたしはゆっくり中へ入り、雪さんの隣へ腰かけた。
「琉衣ちゃんも弾く?」
「い、いえ!」
「そう?」
遠慮しなくても大丈夫だよ、と言ってくれる雪さんだけど、わたしは習い事もなにもしたことはないし、ピアノなんて……めったに触らないから。まともに弾ける曲は特にない。
それよりも、
いつも雪さんは長めの髪をおろしたまま過ごしてるけど、今はひとつに結んでいて……なんだか新鮮だ。
初めて会ったあの頃は──
『お、俺には関わらないで欲しい……』
人見知りだから、と言って距離をとられかけていたのに……今じゃ雪さんの方から、隣に座るか聞いてくれるようになった。
──人間関係って難しいけど、警戒がとけてるってすごく実感出来る。