御曹司たちの溺愛レベル上昇中




***



颯くんと、少し関係が変わってから数日──雪さんは花の種を、響くんは新刊が出るとのことでわたしと颯くんがお留守番。



「じゃあ行ってくるね」

「僕は本屋に行くけど、二人だからって変なことしないでよ颯くん」

「うるせー言われなくてもしねぇし。つかお前に言われたくねぇよ」

「ふうん?ならいいですけど。いざとなれば外に逃げてね琉衣さん。僕が守るし。……好きをやめるつもりないですから、僕」


玄関まで見送りに来ていたわたしに、ぼそっと響くんは呟いた。
颯くんには聞こえていないか、横目に確認したけれど雪さんと話していたからか大丈夫みたい。


「っ……い、いってらっしゃい」


呟きを認識したわたしを見て、響くんは満足げに手を振って雪さんの背中を押しながら出て行った。

鍵をしめてとりあえず、共有ルームのソファへと並んで腰掛けることに。


……だけど、急に二人になるとどうしたらいいか分からなくて。
一度目はお茶をいれに、二度目はお菓子を準備に。三度目は……とキッチンの行き来を繰り返していたわたしを、颯くんが止めた。


「……さっき、響にぼそっと言われてたろ。聞こえないふりしてたけど普通に聞こえたし」

「う、うん」


引き止められた手前、立ったままでいるわけにいかなくてゆっくりと座り直すと、膨れながら颯くんは隙間を埋めるよう詰め寄ってきた。

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