御曹司たちの溺愛レベル上昇中
「絶対ダメだからな?いくら響や雪兄に何を言われようとダメだ。絶対……って、小柳聞いてる?」
「うん、聞いてるよ」
「でもなんで楽しそうなんだよ。俺はめちゃくちゃ焦ってんのに」
「ごめん。ダメダメって言ってくれる颯くん、なんだかかわいくて」
「は?……お前なぁそうやって度々かわいいとか言うよなぁ。ったく、ならそうだな。いっそかわいく思えないことでもしてやろうか?」
「え……そ、それはだいじょうぶ、です……」
急に真面目な顔つきで見つめられて、全身動揺が隠せない。
いたたまれず半ば逃げようとまたも立ち上がろうとすれば、
「だいじょばねーよ」
グッと手を引かれ、颯くんの膝上におろされてしまった。
「待って待って、ちゃ、ちゃんと座るから!」
自分の重さも自覚してる上、膝上に慌てて移動しようと体をよじるも、動くなと言わんばかりのホールド。
離れられない。
顔を合わせたら沸騰する勢いの近さに、顔を背けると、わたしの肩に颯くんのコツンと頭が当たる。
「俺は、雪兄みたいな落ち着きとかないし響みたいな賢さもない。それでも……俺なりに、お前のことを人生かけて大事にする。浮気は百パーしねぇ。……だからお前もすんな」
頼むから──
たまに聞くか細い声。
思わず背けていた顔を向けると、不安を募らせわたしを見つめる瞳が揺らいだ。