御曹司たちの溺愛レベル上昇中
──食後、響くんは部屋へ。
わたしは小鳥遊くんとソファに座り、この家のことについて話をしていた。
「お前がここに来る前……あー、二年前になるか。俺たち以外に一緒に住んでたやつがいたんだ」
「それも御曹司さんだったの?」
「あぁ。俺たちと同じ三兄弟……と言っても、雪兄と同い年のやつに、あと二人は俺と同じだったけどな」
部屋が六部屋あったけど、全部屋が埋まっていた時もあるんだ……しかも御曹司。
ん?それって──
「……もしかしてここって御曹司のルームシェアの場所だったり?」
だとしたらわたし、なんて場違いと言うか……
一瞬で不安が募ったけれど、小鳥遊くんは首を振った。
「そういうわけじゃねぇよ。もともと俺らの父親がこの家建てて、三兄弟のやつらが父親の知り合いの息子だったからここにいたんだよ」
「……なるほど」
「お前の場合は、村田の判断と父親の了承があったから。まぁ、村田と会ったのは偶然だろうけどな」
本当、村田さんと出会ってなかったらわたし今頃どうしてたんだろ。
家は見つけられる目処もたたず、
片付けにおわれ、
両親に泣いて電話していたかもしれない。
いや、きっとそう。
村田さんに会って、トントン拍子に話が進んで今があることは、改めて有り難いし、すごいことなんだなって実感する。
「あれ?……でも村田さんって今どちらに?」