御曹司たちの溺愛レベル上昇中
▶▷新たな悩み




「でーきたっ」



わたしはオーブンから鉄板にのったクッキーを取り出した。

返されたテストは赤点じゃなかったし、頭に叩き込んだオーブンの使い方をいかし、

昼食後、お菓子作りを有言実行していたところ。


「……おお、なかなかいい感じじゃない?」



以前人参の型抜きで使った型を使い、色んなバリエーションで作ることが出来た。


アパートの片付けを手伝ってくれてる三人へのお礼も兼ねて、何にするか迷ったけど難しいものを選んで失敗……なんていうのは嫌だったから、無難にクッキーにしてみたというとこ。



三人が部屋に戻ったのを見計らい、作り始めたからバレてないはず。


うまくできた喜びに顔を緩ませながら出来たクッキーを皿に並べて。
あとはちゃんと冷ましてから、ラッピングに包んで……夜に渡せば──



だけど、近くから聞こえた"パリっ"という音。





「うん、美味しいですね」




あら?




ひょいっと別の皿のクッキーを口に運ぶ響くんに、全くもって気付かなかった。


「いい香りがすると思って来てみれば……ん、おいひいです」

「……あ、ありがとう」



ラッピングの予定が……。


「お、いい匂いすんじゃんか。小柳、有言実行だな。あーむっ」

「これ……クッキー、俺も食べていいの?」



やはり香りでバレているのね。


小鳥遊くんは分かるけど、


響くんや雪さんまで来るとは。

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