御曹司たちの溺愛レベル上昇中
雪さんは、手に持っていた花をそっと、差し出した。
「わたしが……もらっていいんですか?」
「うん。裏庭で育てたの。綺麗に咲いたから」
ラッピングも綺麗にされていて、おまけにリボンまで。花も凄く綺麗でいい香りがする。
ん、裏庭?
わたしはいつも表からしか入らないし、この家の裏側は見たことがない。
花を育ててるのは裏庭……
勝手口から出入りしてるって響くんが言ってたから、これはもしや──
「あの時、手が土だらけだったのは……」
「うん。学校の帰り、土いじりしてた……植える種探しに部屋に来てたところだったんだ。あっ、手を洗わずに家に入ったことは、響には言わないで欲しい……」
すぐ怒るから……と。
嫌そうな顔をする雪さんに、わたしは大きく頷く。怒られるのはやだもんね。
「はいっ分かりました。綺麗なお花、ありがとうございます。嬉しいです」
「良かった……こちらこそありがとう」
薄く笑う雪さんを見て、やっぱり優しい人なんだと、実感した。