御曹司たちの溺愛レベル上昇中


「名前って、どういうことですか?」


間髪容れずに響くんは小鳥遊くんに尋ねるけど、またも言いづらそうな小鳥遊くんに、雪さんが何かを悟った。


「もしかして、颯は響みたいに小柳さんを名前で呼びたい、とか?」

「違っ……!逆だよ、逆……」

「逆……ってことは、わたしに颯くん呼びしてくれってこと?」



コクン。

小鳥遊くんは膝を抱え、目は会わせてくれないけど、赤らめた顔で頷いてくれる。


にしても、今まで名前で呼んでとか言われなかったから意外。

……でも、わたしも小鳥遊に反応する三人を見ると、ちゃんと呼んだ方がいいと思う。

呼ばれたのは自分だってわかるし。


「うん、わかった。慣れるまではちょいちょい小鳥遊くん呼びしちゃうかもだけど……颯くん呼びにするね」


快く承諾し……颯くんに笑いかければ、膝に顔を埋めてしまった。


でもこれで颯くんの最近のおかしさはなくなる。解決したってわけだ。


「名前で呼んで欲しくてそわそわって、小学生みたいですね」

「……うるさいな、お前にはわからんよどーせ。小柳と付き合いが長いんだから、急に変えろっていうのはっ……」

「照れ臭いのね。わかりましたよもう」

「良かったね、颯。……だったら俺は琉衣ちゃんって呼ぼうかな」

「え!?」


ずっと膝に埋めたまま会話をしていた颯くんが、顔を上げ雪さんを凝視した。

響くんもまた驚いた様子だけど咳払いをして、顔を背ける。


「ま、まぁいいんじゃないですか?琉衣さんが良ければ」


「いいかな?」


なんかこの感じ……いつぞやに見た颯くんの犬のようなおめめにそっくりで──


「はいっ」


雪さんにも可愛いという感情が芽生えてしまった。
< 94 / 250 >

この作品をシェア

pagetop