ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
そこには花を拾う私が……その光景を見て気になっていたのだろう。
私の名前を知ったのは雑誌ではなく、母親に頼み近所の人にたづねていたそうだ。
頻繁に会っていたのも病院の帰り車の中で待ち、あたかも偶然を装っていたのだった。
茜は病室から出られなくなっても私のことを思ってくれていたと、しずくさんは教えてくれた。
病状が悪化していることを悟ると、自分の病気のことよりも他人の幸せを願っていたそうだ。
私の作品が世に出て人の目に止まり皆を笑顔にすることや、会ったことのない蘭をデザイナーにすることまで。
「姉は今でも信じています。ペンタスは願い事を叶えてくれる。魔法のお花だと」
私は何も知らなかった。
ただ話が進むほど顔もゆがめてしまい、その場から逃げ出したい気持ちだけが強まった。
そして、私宛への手紙を差し出された。
「最悪のことを考えていたのだと思います。姉は以前からこの手紙を、自宅の引き出しの中にしまい準備していたそうです」
しずくさんのその言葉を最後に。私は気が付くといつものベンチに座り一人手紙を読んでいた。
手紙の内容は私への謝罪文が描かれている。
病気ではない自分を演じるため名前を偽ったこと。本当のことが言えないまま外国に旅立ち帰国出来ないこと。そして願いを叶える花ペンタスのことも。
何でこんな手紙を書いたの? 治るって信じていたんでしょ?
読み進める手紙に、数多くの涙が零れ落ちた。
封筒の中には、手作りのしおりが同封されていた。
そこには、星形で白い花の押し花がされている。
どこか見覚えがある形。
この花知っている。
私に幸せをくれたペンの印は、ペンタスであることをその時知ったのだった。
私の名前を知ったのは雑誌ではなく、母親に頼み近所の人にたづねていたそうだ。
頻繁に会っていたのも病院の帰り車の中で待ち、あたかも偶然を装っていたのだった。
茜は病室から出られなくなっても私のことを思ってくれていたと、しずくさんは教えてくれた。
病状が悪化していることを悟ると、自分の病気のことよりも他人の幸せを願っていたそうだ。
私の作品が世に出て人の目に止まり皆を笑顔にすることや、会ったことのない蘭をデザイナーにすることまで。
「姉は今でも信じています。ペンタスは願い事を叶えてくれる。魔法のお花だと」
私は何も知らなかった。
ただ話が進むほど顔もゆがめてしまい、その場から逃げ出したい気持ちだけが強まった。
そして、私宛への手紙を差し出された。
「最悪のことを考えていたのだと思います。姉は以前からこの手紙を、自宅の引き出しの中にしまい準備していたそうです」
しずくさんのその言葉を最後に。私は気が付くといつものベンチに座り一人手紙を読んでいた。
手紙の内容は私への謝罪文が描かれている。
病気ではない自分を演じるため名前を偽ったこと。本当のことが言えないまま外国に旅立ち帰国出来ないこと。そして願いを叶える花ペンタスのことも。
何でこんな手紙を書いたの? 治るって信じていたんでしょ?
読み進める手紙に、数多くの涙が零れ落ちた。
封筒の中には、手作りのしおりが同封されていた。
そこには、星形で白い花の押し花がされている。
どこか見覚えがある形。
この花知っている。
私に幸せをくれたペンの印は、ペンタスであることをその時知ったのだった。