メガネを外したその先に
「ちかっ」


龍弥先生とライオンバスに乗り込み、想像以上に近くまだ寄ってきたライオンに慄く。

思わず先生の方へ擦り寄ってしまったが、私の視線は目の前のライオンの瞳に釘付けだった。


「なんか、龍弥先生の目に似てる」


そう呟いて隣を見たら、先生の瞳が鋭く私を捉えていてやっぱり似ていると思った。


「目付きが悪いって言いたいのか」

「そこまでは言ってない。ほら、ライオンの目だってよく見たらキュルンとしてて可愛いよ?」


そうやってライオンを見つめ直すと、欠伸をして寝そべるライオンも寄り添う二匹のライオンも愛らしい。
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