メガネを外したその先に
先生の言葉を脳裏で復唱し、その真意を読み解く。


「えっ、いいの?」


目をぱちくりさせて固まった私に対して、先生からの返事は特にない。


「…夢、かな?」


そう呟くと、龍弥先生の指先が軽く私の頬を抓った。


「どう?」

「ちゃんと痛い」


フッと溢した先生の笑みが、潤んだ視界の中で霞む。
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