メガネを外したその先に
glasses12
【龍弥side】
長谷川が卒業してからの校内は、やけに静かだった。
空き教室の前を通る度に、“龍弥先生”って俺を呼ぶ声が聞こえてくるような気がしてしまう。
生徒はあくまで生徒であって、それ以上でもそれ以下でもない。
それは今も昔も決して変わることはないし、長谷川を異性として意識したこともなかった。
でも、教師だって一人の人間で、全ての生徒と平等に思い出や関係性を築けるわけではない。
長谷川の存在は、他の生徒よりも色濃く、俺の教師人生の中に爪痕を残していたことは間違いなかった。
長谷川が卒業してからの校内は、やけに静かだった。
空き教室の前を通る度に、“龍弥先生”って俺を呼ぶ声が聞こえてくるような気がしてしまう。
生徒はあくまで生徒であって、それ以上でもそれ以下でもない。
それは今も昔も決して変わることはないし、長谷川を異性として意識したこともなかった。
でも、教師だって一人の人間で、全ての生徒と平等に思い出や関係性を築けるわけではない。
長谷川の存在は、他の生徒よりも色濃く、俺の教師人生の中に爪痕を残していたことは間違いなかった。