メガネを外したその先に
最低最悪の誕生日だった。


「おめでとう」


でも、先生から祝福の言葉をもらえただけで、真っ暗だった世界に光が差し込む。


「ありがとう」


泣いていたはずなのに、先生のおかげで笑みが溢れて心の奥が温かくなって。

ありきたりな言葉でも先生からもらえれば、私にとっては限りなく特別なものになるのだと知った。


静かに降り積もる恋心。

それは、私にとって生きる意味になっていた。
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