メガネを外したその先に
夏休み最後の日、私から風間先輩を呼び出す。

公園のベンチに腰を下ろし、一人分スペースを空けた先にある先輩に向かって頭を下げた。


「ごめんなさい、私と別れてください」


付き合い始めて、まだ一ヶ月程しか経ってない。

自分の都合で先輩を振り回す私は最低な女で、先輩に向ける顔がない。


「…わかった」


でも、先輩はそんな私を攻め立てることもせず、ただ私の身勝手な想いを受け入れてくれた。


「言いづらいこと、言わせてごめんな」
< 74 / 213 >

この作品をシェア

pagetop