【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!

長めのあらすじ

とにかく元の世界に帰りたい転生悪役令嬢の謝罪行脚恋愛ファンタジー

 悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!

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「どうすればいいのよ、誰か教えてよおぉぉ~っ!」
 最愛の推しツノ様のライブチケットを手に入れたその日、階段で足を踏み外したヨウコ。目覚めたとき、なぜかそこは異世界。しかもベアトリスと呼ばれる悪評高きの性悪令嬢だった。さらに一年契約と言う婚約者エバンにはめちゃくちゃに毛嫌いされており、記憶喪失扱いも相まっての軟禁状態。ちょっとぉ、ライブの日までに日本に戻りたいんですけどぉぉぉ!

「元の世界に帰る帰還の呪文があるはずだ」
 エバンにすべてを打ち明けてライブのために日本に戻りたいと白状するヨウコ。突然悔い改まった様子のベアトリスをエバンは信じることなく、逆に騙し返して懲らしめてやろうと考える。帰還の呪文があると告げ、それを教える代わりに、今まで迷惑をかけてきた人々全員に謝罪しろと糾弾する。ところがエバンの予想に反してヨウコは嬉々として謝罪行脚に繰り出す。

「ツノ様の引退ライブだったのに!! もう間に合わない、ひどいよぉっ!!」
 最後の謝罪相手、姉マーガレットを訪ねるヨウコとエバン。ベアトリスが改心したものと思いこんだまま、エバンはいつの間にかヨウコに心惹かれていた。思いを告げると同時に呪文が嘘だったことを話すと、ショックを受けたヨウコは泣き崩れ、部屋に引きこもってしまう。さらに、ヨウコとベアトリスの入れ替わりの真相が明らかとなり、マーガレットを貶めずにいられなかったベアトリスの幼いころの過去がつまびらかに。

「あなたにヨウコのなにがわかるのよ!?」
 森の賢者の術でヨウコとベアトリスの入れ替わりが元通りになるはずだったが、戻った先でヨウコの魂の手綱は切れてしまう。もともと病弱であった上に、魂のエネルギーの大半をベアトリスに奪われてしまっていたことが原因だった。それを知ったベアトリスはヨウコを助けて欲しいと懇願するが願いかなわず……。いたずらにヨウコを惑わせてしまったエバンは後悔と共に、ベアトリスの中に残るヨウコの魂のエネルギーを一生をかけて見守ることを決意する。

「ヨウコは世界で一番笑顔と幸福の似合う私たちの娘ですわ!」
 五年後、第一子に恵まれたベアトリスとエバン。生まれてきた娘はヨウコの生まれ変わりだった。ベアトリスの中に残るヨウコのエネルギーが、母から子へ受け継ぐ形で渡されたのだった。そして、ヨウコは新しい人生は、明るい光で包まれている――。




 単体小説としてもお楽しみいただけますが、第3部のキャラクターが登場しますので、第3部を先に読むことをお勧めします。
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