宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
ユミル・グーセンハイム。

メグは曾祖父さんの事をそう呼んだ。

「簡単な言葉遊びよ」

何食わぬ顔をしてメグが言う。

つまりこういう事だ。

曾祖父さんの名前、弓琉は『きゅうりゅう』と読むが、『ゆみる』とも読める。

同様に宮川という名字も、『みやがわ』と読むが『ぐうせん』とも読める。

「修内太、貴方の一族は、元々は日本人ではなかったの。遠い昔は私と同じように欧州にいた魔道を探求する魔術師の家系…それが日本に渡ってきた際に改名して、『ぐうせん』…即ち宮川と名乗った。ま、その場合『グーセンハイム』のハイムはどこ行っちゃったんだって感じだけどね」

「……」

既にここまでの話で、頭の処理速度がついていかない。

じゃあ、俺の本当の名前は宮川修内太ではなく、『シュナイダー・グーセンハイム』だっていうのか?

そう考えると、頭が混乱してきそうだった。


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