宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
さて、と。

混乱している俺を他所に、メグは話を進める。

「そろそろ話を聞かせてもらいましょうか。何故修内太に狂化の魔術が施されているのか」

「……」

曾祖父さんは俯いたまま、ゆっくりと話し始めた。




それは宮川家…即ちグーセンハイム一族がまだ欧州にいた頃まで遡る。

元々グーセンハイム家は、魔道の世界でも弱小に位置する一族だった。

高い魔力を持っている訳でもなく、強力な魔術を扱える訳でもない。

秀でた特色のない、魔道の世界ではさして珍しくもない平凡な魔術師の家系。

魔道の世界は弱肉強食でもある。

力なきものは次々と葬り去られていった。

…一族の血を絶やさぬ為には、何らかの処置を施さねばならない。

先代のグーセンハイム家当主は、狂気とも呼べる方法でその処置を施した。

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