天色ガール



「──アメさん! 理事長が呼んでいるので、ちょっとついて来てくれませんか?」



 他クラスの想乃と別れ、教室に入ろうとしたところでコウに呼び止められた。



「理事長って……暁が?」



 何の話だろうと首を傾げていれば、昨日の先輩たちとの件を思い出してコウを見る。



「すみません。あいつにアメさんに関することはすべて報告するよう言われていて……」



 疲れた表情を浮かべるコウに、あいつの下で働くのは大変そうだなぁと同情する。


 朝礼までには教室に戻るということで、あたし達は三階にある理事長室へ急いだ。



「──そういえば、そのウィッグって正人さんが用意したんですか?」



 階段を上がっている途中、ふとコウがあたしの髪に目を向けた。


 見た目も手触りも自然な高価なウィッグだ。



「そうだよ。ただ最初は黒髪だけだったんだけど、不良校で黒髪は逆に目立つから他の色も入れろって言われて、青も入れてもらったんだ」



 そう言って、あたしは前髪の中央に入った一本の青メッシュを指さす。


 「いい色でしょ?」と口角を上げれば、コウは「アメさんによく似合ってます」と笑った。



 そんな会話をしているうちに、理事長室の前までたどり着いていた。



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