『世界一の物語』 ~人生を成功に導くサクセス・ファンタジー~
「ここはどこだ?」
 意識を取り戻したフランソワは思わず身構えた。
 まったく見覚えのない部屋だった。
 しかも、ベッドの上にいるのだ。
 慌てて起き上がると、まるでそれを待っていたかのようにノックする音が聞こえた。
「お待たせ」
 声と共にスーツ姿の若い女を連れた美しい女がこちらに向かってきた。
 気を失う前に出会った女に違いなかった。
 
 若い女が持つ黄金のトレイには肉が乗っていた。
 それも生肉だった。
 極上シャトーブリアンだという。
「ゆっくり食べてね」と言われたが、それは無理だった。
 一気にがっついて、味わう間もなく胃袋に入れてしまった。
 
「誰も取らないんだから、もっとゆっくり食べたらいいのに」
 女に笑われたが、大きなゲップが返事になった。
 それに対しても笑われたが、今度は質問で返した。
 女の正体を知るためだ。
 
 
< 26 / 117 >

この作品をシェア

pagetop