『世界一の物語』 ~人生を成功に導くサクセス・ファンタジー~
「玉留様です。是仁久留玉留様。世界一の大富豪でいらっしゃいます」
答えたのは、秘書と名乗った若い女だった。
横で玉留は〈知らないなんてもぐり犬ね〉というようなシラ~っとした顔をしていた。
「失礼いたしました。浅学な自分を恥じております」とへりくだったが、そんなことには興味がないようで、なんで偏西風なのか、なんで絨毯なのか、なんでトランポリンの上にいたのか、ということを立て続けに質問された。
しかし、説明しようとすると、「ちょっと待って」と玉留は手で制し、秘書に何やら耳打ちをした。
すると、すぐにモニターらしきものが運ばれてきて、テーブルに置かれた。
「再生して頂戴」
秘書が再生ボタンを押した。
監視カメラの映像だった。
絨毯に乗った犬が空から落ちてきたところが映っていた。
「そうなんです。僕は空から落ちてきたのです」
「それがおかしいでしょ。あり得ないわよね、そんなこと。でも、」
秘書に再度そのシーンを再生させた玉留は信じられないと首を振ったが、それでも「どういうこと?」と怪訝そうな声を出した。
「長い話になります」
フランソワは最初から話そうとしたが、秘書に遮られた。
「出発のお時間です」と。
「そうだったわね。そうだ、ボルドーへ行くけど、一緒にどう?」
「どう、って……」
フロリダとボルドーが結びつかないので一瞬ポカンとしてしまったが、断る理由もなく、誘われるまま玉留の自家用機に同乗した。
答えたのは、秘書と名乗った若い女だった。
横で玉留は〈知らないなんてもぐり犬ね〉というようなシラ~っとした顔をしていた。
「失礼いたしました。浅学な自分を恥じております」とへりくだったが、そんなことには興味がないようで、なんで偏西風なのか、なんで絨毯なのか、なんでトランポリンの上にいたのか、ということを立て続けに質問された。
しかし、説明しようとすると、「ちょっと待って」と玉留は手で制し、秘書に何やら耳打ちをした。
すると、すぐにモニターらしきものが運ばれてきて、テーブルに置かれた。
「再生して頂戴」
秘書が再生ボタンを押した。
監視カメラの映像だった。
絨毯に乗った犬が空から落ちてきたところが映っていた。
「そうなんです。僕は空から落ちてきたのです」
「それがおかしいでしょ。あり得ないわよね、そんなこと。でも、」
秘書に再度そのシーンを再生させた玉留は信じられないと首を振ったが、それでも「どういうこと?」と怪訝そうな声を出した。
「長い話になります」
フランソワは最初から話そうとしたが、秘書に遮られた。
「出発のお時間です」と。
「そうだったわね。そうだ、ボルドーへ行くけど、一緒にどう?」
「どう、って……」
フロリダとボルドーが結びつかないので一瞬ポカンとしてしまったが、断る理由もなく、誘われるまま玉留の自家用機に同乗した。