『世界一の物語』 ~人生を成功に導くサクセス・ファンタジー~
 フランソワはその先が聞きたくてウズウズしながら次の言葉を待ったが、何を思ったのか、彼女はいきなり秘書に向かって指を鳴らした。
 すると音楽が流れてきた。
 知らない曲だった。
 でも、思わず体が動いてしまうようなウキウキするような演奏だった。
「『Shake It Up』よ。サックスとトランペットの第一人者が共演しているの。ボニー・ジェイムスとリック・ブラウンって知ってる?」
 フランソワは首を横に振った。
「この曲を聞くと、脳や細胞が刺激を受けて覚醒(かくせい)するのよね」
 そうなんだ。
 シェイク、シェイク! 
 振って揺られて刺激を受けろ!
「あなたも覚えておいてね。コンテンポラリー・ジャズの世界では知らない人がいないくらい有名なミュージシャンよ。お金持ちになりたいのなら音楽の素晴らしさも知っておいてね」
 お金と音楽? 
 なんの関係があるんだ?
「メロディー、リズム、ハーモニーって、ジャズに限らず音楽の重要な三要素よね。株式投資も同じなの」
 どこが?
「よく考えてみて」
 玉留はフランソワの鼻をチョンと触った。
 
 
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