『世界一の物語』 ~人生を成功に導くサクセス・ファンタジー~
「ところで、世界一のワイン生産国はどこだと思う?」
リビングに移動しながら玉留が訊いてきた。
「それは当然フランスでしょう」
誰でも知っているようなことだったので、なんでそんな質問をするのかわからなかった。
しかし、意外な答えが返ってきた。
「違うのよ。フランスじゃないの」
えっ?
ウソッ!
「イタリアなの。2位がフランス、そして、3位がスペイン」
そうなんだ~、
「今、いろんな国でワインへの関心が高まっているの。だから、フランス以外の世界各地に素晴らしいワイナリーが誕生しているの。それを放っておく手はないわよね」
彼女は不敵な笑みを浮かべた。
「で、生産量の多い国にワイナリーを持つことにしたの。有望なワイナリーを一気に買収したのよ」
えっ?
そんなに?
「イタリア、フランス、スペインに加えて、アメリカ、オーストラリア、アルゼンチン、南アフリカ、チリ、ドイツのワイナリーを買収したの」
凄い! でも、ワインってそんなに儲かるの?
「一般的にワイン製造業の利益率は10パーセントに届かないことが多いのだけど、あたしの所は30パーセントを超えているのよ。何故だかわかる?」
う~ん、どうしてだろう?
う~ん、儲からない理由を薄利多売とすると、儲かる理由はその反対だから……、
う~ん、厚利少売かな?
「ピンポン! あなたって凄いわね。その通りよ」
感心したように頷きながら、またメモ帳にペンを走らせた。
見ると、『選択と集中』と書かれていた。
「経営には規模を求める経営と価値を求める経営の二つがあるの。規模を量、価値を質と言い換えてもいいわ。あなたの言う通り、規模(量)を求めると薄利多売になるの。逆に価値(質)を求めると厚利少売に行き着くの。経営者はどちらを選択するか決めなければならないのよ。あたしは価値経営を選択し、それに集中したの」
なるほど。
「テーブルワインや中級ワインには手を出さないで、最高級ワインだけに絞ったの。だから、徹底的に味にこだわって、ラベルデザインにこだわったの。そして、納得できないワインは1本も出荷しなかったの。何故だと思う?」
えっ?
また質問?
う~ん、評判を得るため?
「またしてもピンポンよ。専門用語で『レピュテーション・マーケティング』というのだけど、〈お客様からどれだけ良い評判をいただけるか〉ということを基準にした活動のことで、逆に言うと、評判を落とすことは絶対にやらないという宣言でもあるの」
なるほど。
「評判は信用になり、信用は崇拝になるの」
ん?
難しくなってきたぞ。
フランソワは脳細胞に喝を入れた。
「言い換えるとね、評判を聞きつけて新規に購入してくれたお客様が、『これは間違いない』と確信して定期的に買っていただける固定客になり、そして、『これじゃなきゃダメ!』っていうファンになっていくということなの」
そうか、そういうことか、
「これはとっても大事なことだから、メモに書いておくわね」
玉留はペンを走らせた。
『評判は信用になり、信用は崇拝になる』
『新規客→固定客→ファン』
なるほど。
メモを受け取って礼を言ったフランソワだったが、フヮ~~、といきなりあくびが出た。
集中しすぎたせいか、脳が限界に達していた。
それに感づいたのか、「ちょっと休憩しましょう」と玉留はフランソワの頭を撫でた。
すると、そこで突然場面が変わって、若い男女が映し出された。
何やら別れを惜しんでいるようだった。
何があったのだろうか?
リビングに移動しながら玉留が訊いてきた。
「それは当然フランスでしょう」
誰でも知っているようなことだったので、なんでそんな質問をするのかわからなかった。
しかし、意外な答えが返ってきた。
「違うのよ。フランスじゃないの」
えっ?
ウソッ!
「イタリアなの。2位がフランス、そして、3位がスペイン」
そうなんだ~、
「今、いろんな国でワインへの関心が高まっているの。だから、フランス以外の世界各地に素晴らしいワイナリーが誕生しているの。それを放っておく手はないわよね」
彼女は不敵な笑みを浮かべた。
「で、生産量の多い国にワイナリーを持つことにしたの。有望なワイナリーを一気に買収したのよ」
えっ?
そんなに?
「イタリア、フランス、スペインに加えて、アメリカ、オーストラリア、アルゼンチン、南アフリカ、チリ、ドイツのワイナリーを買収したの」
凄い! でも、ワインってそんなに儲かるの?
「一般的にワイン製造業の利益率は10パーセントに届かないことが多いのだけど、あたしの所は30パーセントを超えているのよ。何故だかわかる?」
う~ん、どうしてだろう?
う~ん、儲からない理由を薄利多売とすると、儲かる理由はその反対だから……、
う~ん、厚利少売かな?
「ピンポン! あなたって凄いわね。その通りよ」
感心したように頷きながら、またメモ帳にペンを走らせた。
見ると、『選択と集中』と書かれていた。
「経営には規模を求める経営と価値を求める経営の二つがあるの。規模を量、価値を質と言い換えてもいいわ。あなたの言う通り、規模(量)を求めると薄利多売になるの。逆に価値(質)を求めると厚利少売に行き着くの。経営者はどちらを選択するか決めなければならないのよ。あたしは価値経営を選択し、それに集中したの」
なるほど。
「テーブルワインや中級ワインには手を出さないで、最高級ワインだけに絞ったの。だから、徹底的に味にこだわって、ラベルデザインにこだわったの。そして、納得できないワインは1本も出荷しなかったの。何故だと思う?」
えっ?
また質問?
う~ん、評判を得るため?
「またしてもピンポンよ。専門用語で『レピュテーション・マーケティング』というのだけど、〈お客様からどれだけ良い評判をいただけるか〉ということを基準にした活動のことで、逆に言うと、評判を落とすことは絶対にやらないという宣言でもあるの」
なるほど。
「評判は信用になり、信用は崇拝になるの」
ん?
難しくなってきたぞ。
フランソワは脳細胞に喝を入れた。
「言い換えるとね、評判を聞きつけて新規に購入してくれたお客様が、『これは間違いない』と確信して定期的に買っていただける固定客になり、そして、『これじゃなきゃダメ!』っていうファンになっていくということなの」
そうか、そういうことか、
「これはとっても大事なことだから、メモに書いておくわね」
玉留はペンを走らせた。
『評判は信用になり、信用は崇拝になる』
『新規客→固定客→ファン』
なるほど。
メモを受け取って礼を言ったフランソワだったが、フヮ~~、といきなりあくびが出た。
集中しすぎたせいか、脳が限界に達していた。
それに感づいたのか、「ちょっと休憩しましょう」と玉留はフランソワの頭を撫でた。
すると、そこで突然場面が変わって、若い男女が映し出された。
何やら別れを惜しんでいるようだった。
何があったのだろうか?