リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「おかえり、柚葉」
「ただいま」
彼の顔をまっすぐに見られない。
靴を脱ぎながら視線を逸らして下を見た。
涼成くんが廊下を移動する足音が聞こえて、扉が閉まる音がする。どうやら自室に入ったらしい。
彼の姿が見えなくなると私は急いでリビングに向かった。
スーパーマーケットで買った食材を冷蔵庫に詰めていると、しばらくしてから部屋着に着替えた涼成くんがリビングに戻ってくる。
食材を詰める手を止めないまま彼の気配だけ気にしていると、こちらに向かってくる足音が聞こえた。近くまで来てぴたりと止まる。
「柚葉、すまない」
突然、涼成くんの口から謝罪の言葉が聞こえた。私は手を止めて彼に視線を向ける。
「なにかあったの?」
すまないってどういう意味?
私に謝らなければならないなにかをしたの?
ふと先ほど見た光景を思い出して心臓の鼓動が自然と速まる。
やっぱり涼成くんは梨央ちゃんと……。
「帰りにパン屋に寄れなくて、パンを買って帰れなかった」
「えっ」
すまないとはそのことに対しての謝罪らしい。
梨央ちゃんとの関係について打ち明けられると思っていたので少しだけ気が抜けてしまう。
とはいえパンも楽しみにしていたのでショックだ。