リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
涼成くんは私よりも三つ年上だから今年で二十九歳。
子供の頃は背が低くて華奢で、整った顔立ちから女の子のようにかわいらしい見た目をしていたけれど、今の彼にはその面影は一切ない。
身長はぐんと伸びているし、スーツを着ていてもわかるくらい引き締まった男らしい体つき。
最後に会ったのが十六年も前というのもあり、ホテルではすぐに気が付くことができなかった。でも、涼成くんはあのときに私だとわかったようだ。
「えっと……久しぶり」
目の前の彼が子供の頃の知り合いの涼成くんだとわかったものの、大人の男性に成長した彼を前にどう接していいのかわからない。
当時の面影が一切ないのもそうだけれど、彼が纏う雰囲気も少し変わった気がする。
近寄り難く感じて、子供の頃のように気軽に話しかけていいのかわからない。
「さっき追われているって言ってたけど、誰に?」
そのせいで私は涼成くんに利用されてここへ連れてこられたのだから詳しい事情を教えてほしい。