リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
不信感をたっぷりと込めた警戒の眼差しを向けていると、男性がふと口を開く。
「駒井柚葉。きみの名前だよな」
「えっ」
どうして私の名前を?
「この前も言っただろ。俺たちは会ったことがある」
たしかに言われた。でも、私はこの男性のことは知らないし、彼の勘違いだろう。
「――多岐川涼成。名乗れば思い出すか」
多岐川……涼成……。
「あっ!」
ひとりの人物が思い浮かんだ。
「もしかして涼成くん?」
「ようやく思い出したか」
私は目の前の男性――多岐川涼成を知っている。
どうしてすぐに気が付かなかったのかが不思議なくらい、彼との思い出が頭の中にぶわっと溢れてきた。
――涼成くんとの出会いは私が六歳の頃。
当時、私の父は〝TAKIGAWAホールディングス〟という大企業の社長の個人秘書をしていた。その社長が涼成くんのお父様だ。
その関係で私は涼成くんとは顔なじみで、子供の頃はよく多岐川家の自宅で遊んでいた。