無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
疼く
日曜の昼下がり。
視界一面に広がる青い空、青い海と、太陽に反射して光る水面。
そして、青春真っ盛りな俺たち男子高校生。
と来れば、ビーチ、海水浴、水着ギャル……と来そうなところだけど、俺たちのいる場所にそれはなく。
「ふぁ」
コンクリートの堤防の上、小さな折り畳み椅子に座り左手で頬杖をつく俺はあくびをひとつ漏らした。
右手にはさっきそこでレンタルしてきた釣竿があり、海の中に垂らされた釣り糸はしばらく音沙汰がない。
不意に頭上を飛んでいた海鳥が急降下して、水面をバシャリと跳ねたかと思えば、ビチビチと暴れる魚をクチバシに咥えてまた空へ戻っていった。
「人は無力だ」
それを見て格言的に言ったのは、隣に座る幼なじみ、佐吉。
俺と同じく、その手にある釣竿から伸びる釣り糸は未だ動く気配がない。
佐吉の表情には哀愁が漂い、その目は遠く地平線を見つめている。