無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
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そんなこんなでナギオ先生の教えもあり、俺たちはそれぞれ小さな魚を釣ることができた。
「うおおおおやったぁぁぁあ!!さっそくマキちゃんに写真送ろう!!」
「待て、こんなちっこいの送って大丈夫か?10センチの魚ではしゃいでたら初心者丸出しじゃね?」
佐吉はハッと目を見開いてから悔しそうに両手で地面を殴る。
「くそぉぉおお!!この喜びを好きな人と共有できないなんて!!辛すぎる!!」
マキちゃんに正直に言っちゃえばその辛さもなくなるよ、と言いたくなるけれど、どうせまた〝かっこ悪いだろ!〟ってめちゃくちゃかっこ悪く言い返されるだけなので喉元で押し留める。
難儀なやつ、と咽び泣く佐吉を嘆いていると、佐吉越しに見えた景色に違和感を感じて目をやった。
「……え?」
遠くにスタイをした赤ん坊が、一人。
堤防をハイハイしていくその赤ん坊の周りに、親らしき姿はない。
どういう状況?ヤバくないか?
赤ん坊は好奇心に目を輝かせて一生懸命堤防の端の方に向かってハイハイをしていく。
俺は咄嗟に釣竿を投げて走り出した。