春待つ彼のシュガーアプローチ

仮彼女の初デート


「誰かから連絡が来るの?」


「えっ!?」


ある日の夕食後。


私が食器を洗っていると、テーブルを拭いていたお母さんから何気ない質問が飛んできて。


持っていたお皿を危うく落としそうになってしまった。


「ご飯食べてる時に珍しくテーブルの上にスマホを置いてチラチラと見ていたから」


普段は私のスマホに連絡が来ることなんて殆どないから、食事の時は部屋に置きっぱなしにしている。


やっぱりいつもと違うことすると、すぐに気付かれちゃうよね…。


「じ、実は...夜に友達から電話が来ることになってるの。話したいことがあるらしくて…」


「それなら残りの片付けはお母さんがやるから栞は部屋に戻っていいわよ?」


「あと少しだから私がやるよ。お母さんこそ仕事で疲れてるんだから、あっちでゆっくり休んで」


「ありがとう」


リビングのソファーに座ってテレビを見始めるお母さん。


先週は家でも仕事するぐらい忙しそうだったけど、それも落ちついたみたいで良かった。


ホッと胸を撫で下ろしつつ、手早く片付けを済ませた私は自分の部屋へ。


机に向かうとスマホを両手で持ってジッと見つめた。


あと10分くらいで氷乃瀬くんから電話がかかってくる。


なんだか緊張するな…。


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