天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい


「なんだよ翠。当たり前だろ? お前は俺の大事な可愛い可愛い

「純平! 行くよ! それじゃぁね! またゆっくり遊びにおいでね!」

そう言ってママはパパの言葉を遮りグイグイ引っ張って行ってしまった。

「あーあははは」

もう笑うしかない。

「俺、親父さんにあんまり歓迎されてない感じ
?」

「なわけ! 律の話した時も喜んでたよ!」

「あ、そう? ならいいんだけど。翠は母親似だったんだな」

「そうなの。丈慈はパパ似でしょ?」

「確かにそっくりだったわ」

「ふふふ。そういえば、律は兄弟とかいないの?」

今更ながら律の家族についてあまり聞いた事がない事に気がついた。

「ああ。話した事なかったよなそう言えば。実は双子の妹がいる」

「ええ!? 双子だったの!?」

「翠、声デカい」

あ、やべ。
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