聖女様のお世話係として召喚されました。が、聖女様不在なのですが……?
『待ち人とは何のことでしょうか?』

「待ち人とは私の…コホン。
姉の占いは当たるしその…私もそう言う願望はあるので…」

急に歯切れが悪くなり、ごにょごにょと言い淀むルイ様。

その様子がなんだか可愛くて、思わず笑いが漏れる

『ふふっ』

すると、はたとルイ様は立ち止まり、笑っている私に向き合う。

いけない、

不快にさせてしまったのかもしれない。

「ごめんなさい、その、ルイ様がかわいくて━━」

しまったと思った時には言葉に出した後だった。

謝るつもりが、思わず可愛いなどと余計なことを言ってしまった。

動揺する私の視線を受け止めると、ルイ様は真剣な表情で話し始める。

「私は、今まで女性に言い寄られて苦労してきた。

できるなら外見や家柄ではなく、私自身を
想ってくれる人と出会いたいと願っていた。

それが私の望む、待ち人。

姉に言われたとはいえ、半信半疑で穴を作ってみたが、特に何も起こらなかった。

姉にからかわれたのかと思い、己の鬱憤をはらすようにやみくもに穴を作ってしまった。その際に魔力の加減を誤ったようで深い穴を作ってしまった。

サヤカ……本当にすまなかった。

瀕死のサヤカを見て、とても冷静でいられなかった。

サヤカを見た瞬間に、どうしようもなく愛しく感じた。 同時にやっと見つけたと思った。

突然こんな事を言うのはどうかと自分でも思う。

サヤカ……良ければ君に交際を申し込みたい。

私では不服だろうか?」

ルイ様は真摯な姿勢で、包み隠さずに気持ちを告げてくれた。

まっすぐに見つめてくる瞳が、熱を帯びている。

とても冗談を言ってるようには思えない。

だから、一瞬信じてしまいそうになった。

私はお世辞にも飛び抜けて美人でもなく、地味な外見だ。

それに、この世界でこれからどうしたらよいかも分からない、不安定な立場。


ルイ様は素敵な人。

どちらかというとひとめ惚れしたのは私の方だ。

ルイ様の優しさだけでなく、容姿にも惹かれたのも事実。

それはきっと、今までの
他の方と何も変わらない……

『ルイ様。私なんかでは、ダメです。
私もルイ様が素敵だなと思います。
他の女性の方と同じです

誰だって、怪我をしている方を見たら、冷静でいられないと思います。

ルイ様は動揺されて勘違いをされているのです』


「いや、勘違いではない!
魔力を持つものは運命の相手が分かるのだ。
その者を見ると分かるのだ。

私も話しには聞いていたが、経験して実感した。サヤカ、君は私がずっと待ち望んでいた人だ。

サヤカ、どうか私の気持ちを受け入れてほしい」

運命の相手?

魔力を持たない私には真相を確かめる術はない。

艶めかしい視線を向けられて、うるさくなる心臓の音が聞こえてくる。

難しいことは何も考えずに、ルイ様の胸に飛び込みたい衝動に駆られた

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